サイト内シナリオ設計

Webサイトの制作において重要視されるのが「シナリオ設計」です。
シナリオは、映画や劇で用いられる脚本のことであり、広くは「さまざまな可能性を考慮した筋書き」を指します。
Webサイトに訪れたユーザーをどのようにコンバージョンへと導いていくかという道筋を考えることを「サイト内シナリオ設計」と呼んでいます。

シナリオ設計は、見込みの濃いユーザーをそのまま自社で取り込めるか、コンバージョンだけ他社に奪われてしまうかを決める重要なキーポイント。
Web担当者であれば絶対にスルーできない重要項目ですので、おおまかな内容は必ず把握しておく必要があります。

戦略フェーズとの役割の違い

戦略フェーズにおいてビジネスロードマップやカスタマージャーニーを制作しますが、これは自社サイトの役割や、Webサイト外部でのユーザーの動きを定義したものです。
Webサイトのベースをデザインするのには最適ですが、訪れたユーザーをどのようにゴールへ導いていくかはサイト内での体験によるため、定義されていません。
そこで「サイト内体験シナリオ」を作成し、ユーザーの行動や体験を明確に描いていきます。

ユーザーの動きをシナリオ化

ユーザーの動きとWebサイトのページを照らし合わせた時、必ず存在するのが「入口」と「出口」です。
つまり、どのページを訪れ、どのページで離脱するのかを図式化したものがサイト内体験シナリオということになります。

仮に、シナリオ設計を考えずにサイトを構築する場合、コンバージョンへの道筋に不要なページが入っていたり、必要なページが抜けていたりする可能性があります。
その結果、ユーザーは離脱してしまう可能性があるため、できるだけ必要なものだけを提供していく必要があるのです。

メインの動線を定義する

メインとなるサイトの入口とゴールに至るまでの主動線を定義することによって、基本レイアウトが決まってきます。
全体のカテゴリー構造やナビゲーションの構成などもすべてシナリオ設計に基づいて制作していきます。
目標達成にも深く関係するため、KPIとも照らし合わせながら考えていくことが必要です。

ユーザーによって変わる経路を計算する

Webサイトの運用が始まると、集客系のコンテンツやWeb広告、SNS、メールマガジンなど、さまざまな入口が設けられます。
すると、Webサイトの構造を変えていなくても訪問ページや回遊先は変わってきます。その結果、サイト内での体験もユーザーによって異なります。
入口は広く設けて置き、見込みが濃くなっていくにつれて同じページへと落とし込んでいくようなファネルが必要となります。

複数のシナリオを設計する

ユーザーのニーズやステータスが異なる場合、サイト内の回遊先や行動パターンも異なってきます。
例えば「Webの知識をほとんど持っていない」ユーザーを専門用語が大量に並んだページに誘導しても理解されません。逆に「ある程度知識を持っている」ユーザーはこまかい説明を都度書き連ねたようなページをまどろっこしいと感じてしまいます。
この場合、前者に「知識を提供するページ」を設ける必要がありますが、その重要度はどれくらい高いでしょうか。

結果をメインに考えるのが大前提

忘れてはならないのが、前者がすべての知識を手に入れてからでなければコンバージョンしない訳ではないこと。
入口は別々に設けておく必要がありますが、出口は前者が理解でき、なおかつシンプルなものであれば両者が兼用できます。
シナリオは、さまざまなユーザーの行動パターンや必要な体験を考えながら、ターゲットに応じて複数制作していく必要があります。

メインとなるシナリオを整理しておく

Webの構造上最も重要視されるのは「メインとなるシナリオ」を描くことです。
こまかい動線まで考えていくと数が膨大になってしまい、どれを優先すれば良いのか分からなくなってしまう場合があります。

初心者向けの、専門用語を説明したコンテンツや、一部のユーザーをフックにした説明動画など、考えつくものをすべて投入したサイトは、動線的に分かりにくいものになってしまいます。
そのため、シナリオは重要度に分けて整理していきます。

戦略フェーズの結果を踏襲する

戦略フェーズで決めた「ペルソナ」に絞って考えていけば、シナリオのパターンが複雑化することは少ないでしょう。
文字にするのか、動画にするのかといったコンテンツ企画の方向性もある程度絞って考えることが可能です。

さらに、ビジネスロードマップで決定した段階的なプロセスや、市場のニーズに合わせたページデザインなど、戦略フェーズで定義された内容と一貫性を保つことも必要です。
決められたコンセプトに則ってシナリオを描き、次のプロセスへと繋いでいく。その重要な役割を持っているのがサイト内体験シナリオです。